“死なる剣” “守護戦士”フマクト

 King of Dragon Pass (Copyright (c) 1999 A Sharp LLC)におけるRobin D. Lawsの作品を基礎としています。
 テストプレイに編集、それから全般に渡り計り知れないほどの援助をしてくれたJeff Kyerに大いなる感謝を。

背景情報

 神々の時代、トリックスターのユールマルは新しいものを発見した。それは最初の“剣”であり、“死”と呼ばれた。ユールマルが既にしでかした以上の災厄を引き起こす前に、オーランスの兄弟であるフマクトがそれを取り上げた。

 この時、オーランスは“邪悪なる皇帝”との対決に使うために武器を探していた。彼はフマクトの下へと行き、“死”を奪おうとしたが、フマクトは自分の“剣”を手放さなかった。彼はこの“死”なる新しい力を振るい、自分を“嵐の部族”の民から切り離した。だからこそ彼らには“死”がもたらした災厄の責任が無いのである。

 ついにオーランスは“邪悪なる皇帝”に対し用いるために、しばらく“死なる剣”を貸してくれるよう、フマクトを説得した。その見返りとしてオーランスは、自分の兄弟としてだけではなく、自分の守護戦士としての、“嵐の部族”の名誉ある地位を申し出た。

 “死なる剣”はオーランス人が執り行える探索行である。これは“邪悪なる皇帝”を殺すために、いかにしてオーランスは死を拝借したかの物語の再現であり、敵を打ち倒すための何らかの「特典」を求めるオーランス人によって演じられる。
 一般的には特定の敵、最も多くの場合は太陽関係の敵を倒す目的で、《死》の神力を一時的に得るために、オーランス人はこの探索行をよく追い求めている。あるいは自分の共同体の利益のために、この探索行を行うこともできる。この場合は、探索行は共同体の戦士を強くしたり、フマクトの近侍武士と氏族のほかの者との結びつきを強化することができる。

探索行の必要条件

探索行の概略

 死なる剣の探索行には、7つの留がある。

  1. オーランスの農場
  2. ユールマル
  3. フマクトの農場
  4. フマクトの農場への再訪
  5. フマクトとの最後の話し合い
  6. 和解
  7. 家路

第一の留:オーランスの農場

 異界へ渡る

 “邪悪なる皇帝”を打ち負かさんとする試みの後、オーランスは自分の農場で休んでいたが、その時“死”という新しいものの話を耳にした。“邪悪なる皇帝”との次の試しにはそれを使おうと、オーランスはこの“剣”を見つけ出そうと心に決めた。しかしながら知識の神でさえも、オーランスがどこに行けばそれを見つけられるのか知らなかった。しかしどうしたことか、ユールマルこそが“死”を見つけたのだと、誰もが解るような気がした。というのも、トリックスターはいつも新たな厄介ごとの原因だったからである。しかしいつもの如く、ユールマルを発見できる場所を知るものはいなかった。彼はオーランスの農場から遠方を放浪していたからである。自らの鎧と武器を集めて、オーランスはふらふら出歩いているトリックスターの捜索に乗り出した。

 探索者は伝統的にこの探索行を、オーランスの社か聖地で始める。そこで神界にある“オーランスの大広間”に入るために、10W3の抵抗に対して〈オーランスの神話〉を(探索者がヴィンガ信者の場合は〈ヴィンガの神話〉を)使わなくてはならない。『ヒーローウォーズ』209〜210ページ(訳注:『Narrator's Book』37ページ、しかしむしろ『ヒーローウォーズ』146ページ、『Hero Wars』242〜243ページの方が妥当か)にあるように、オーランス人のヒーローの多くは探索行を始める前の準備として、また「非常な支援」を認めるために、“オーランスの戦支度”といった儀式を行う。

第二の留:ユールマル

 トリックスターへの問いかけ

 “嵐の部族”の土地の外縁で、オーランスはユールマルを見つける。もう“死なる剣”を持たないトリックスターを見て失望するが、それを奪ったのはフマクトであると、すぐさまユールマルの口を割らせた。

 探索者はユールマルと会い、探索者が“剣”を見つけられる場所を話させなくてはならない。力ずくであっても、賄賂であっても、説得であっても、これを成し遂げることができる。

 話すよう、ユールマルを説得する(15W):〈賄賂〉〈脅迫〉《嵐の神殿の神に命令する(-5)》〈言いくるめ〉〈人を説得する〉

 甘言でだまそうとする試みに対して、ユールマルの抵抗は15Wである。何しろ秘密を守るのが困難になるよう、ユールマルがそれを発見したのだから。もちろん、力というのも手の1つである。探索者は口を割らせるために、単純にユールマルを叩いても構わない(下記の「探索行の利益」を参照)。

 探索者の多くは自分のトリックスターを連れて来るので、そうした者たちは探索行のこの留を可能な限り統制することができる。彼らはトリックスターなので、この場合はせいぜい僅差の勝利がいいところである。もしユールマルが対決に勝利したなら、彼はヒーローに不正確で誤解を招くような指示を与える。例えば「“剣”なら“定命の祖父”にあげちまったよ」と話すように。これは探索行のこの留でヒーローにマイナスの繰り越しポイントを負わせ、“フマクトの農場”まで遠回りの道を取らせることになる。

第三の留:フマクトの農場

 オーランスはフマクトの農場へと行き、そこでは彼の兄弟が歓迎してくれた。思慮が足らず、また自尊心に満ちたオーランスは、噂に名高い“剣”をフマクトは渡すべきだと要求した。フマクトはそれを拒否し、嵐やその他の多くのものを支配しようとも、決して“死”は支配できないのだと、オーランスに言った。そうして彼らは戦い、オーランスは殺されこそしなかったが、撤退を余儀なくされた。

 ヒーローはフマクトの農場に到着する。そこはいまだ炉辺には歓迎の火が灯り、テーブルには食べ物が用意されているが、普通の農場に比べると暗く、重苦しい。ここでフマクトは、ヒーローを持て成し、兄弟のように歓迎してくれる。フマクトは嵐の部族の徽章を身につけ、嵐の部族の刺青を施した戦士のようである。もちろん、この探索行においては得てしてフマクトはフマクト信者によって代理される。それはヒーローとの絆を築くためであり、もしかしたら未来において何らかの絆を持つためかもしれない。この探索行はヒーローとフマクト信者の間のこの絆を確かなものにするイベントとしてもよい。

 ヒーローはフマクトから“剣”を得ようとしなくてはならない。様々な方法でそれを試みることができる。“剣”を渡すように命令しても構わないし、フマクトが“剣”を手放すよう甘言でだましても、賄賂を渡しても構わない。

 “剣”を渡すよう、フマクトを説き伏せる(5W2):〈賄賂(-5)〉〈脅迫(-3)〉《嵐の神殿の神に命令する》〈言いくるめ(-3)〉〈人を説得する(-3)〉〈(氏族)との関係〉

 もしヒーローがフマクトから“剣”を奪うための命令や甘言、賄賂などに失敗したら、暴力に訴え出ても構わない。この場合、フマクトは〈近接戦闘:10W3〉を有する。フマクトと戦うのはとても危険な行為であり、だから多くのヒーローはこの戦闘で自分を助けてくれるように支援者を連れている。癒し手は貴重な仲間であり、この探索行の暴力的な留において、傷を癒すことによってヒーローにAPを貸与することができる。ここでは留の間の時間はほとんどないが、休息を取ったり、食事をしたり、魔術的な治療を行うのは充分可能である。

 探索行のこの留の繰り越しポイントが酷く歪んでいることを、ナレーターは気を付けて欲しい。この留でのヒーローの「正しい」道行は、失敗しながらも、深刻な傷のために続行不可能になることがないようにすることである。もしフマクトから“剣”を得るのに成功すれば、ヒーローは人間界へと帰ることになる。探索行を完全にまっとうしたときに得られるよりも繰り越しポイントは少なくなるし、もしかしたら悲惨な結果を招くかもしれない。特にヒーローが暴力によってフマクトから“剣”を奪った場合などには、より悪いことに探索者(及びその共同体)とフマクト信者との関係を害することもある(下記の「探索行の利益」を参照)。

第四の留:フマクトの農場への再訪

 オーランスは休息し、傷を癒した後に、再びフマクトの下へと訪れた。今度はより敬意を抱いて兄弟に接し、贈り物と自分の饗宴の広場の安全と保護を申し出た。それでもフマクトは自分の意見を守り、“剣”を手放さなかった。彼は兄弟に、“死”の力と比べると安全と保護など小さなものだ、と言った。そうして彼らは戦い、オーランスは殺されこそしなかったが、撤退を余儀なくされた。

 ヒーローは再びフマクトの農場に行く。そこで探索行の第三の留と同じようにフマクトと話し合う。いまだ炉辺には歓迎の火が灯り、テーブルには食べ物が用意されているが、どちらかというと以前よりも暗く、寒くなっている。前回に二人の間に戦いがあった場合、まだフマクトはヒーローを兄弟として歓迎してくれるが、歓迎は親密なものではない。

 今では“剣”を諦めるよう、フマクトを説き伏せるのは更に難しくなっている。決意が固くなっているのだ。

 “剣”を渡すよう、フマクトを説き伏せる(10W2):〈賄賂(-5)〉〈脅迫(-3)〉《嵐の神殿の神に命令する》〈言いくるめ(-3)〉〈人を説得する(-3)〉〈(氏族)との関係〉

 前回同様に、ヒーローにとって力というのも手の1つである。フマクトは〈近接戦闘:10W3〉を有する。

 ヒーローが失敗すると予測されるので、探索行のこの留でも繰り越しポイントは歪んでいる(第三の留を参照)。この留で“剣”を得るのに成功した場合、その効果は前回同様となる。

第五の留:フマクトとの最後の話し合い

 傷が癒されるまで、まだ自尊心が自分を苛むが、オーランスは再び休息をとった。彼は三度フマクトを訪問した。今度は、“邪悪なる皇帝”を害するために“剣”をくれと、兄弟であるフマクトに訴えた。しかしながらフマクトは、新たに学んだ“剣”の使い方をオーランスに示してみせた。自らを親族から別つために“剣”を振るったのである。というのも、彼は“死”がもたらす害のことを知っており、自分の嵐の親族が代償を支払う事を望んでいなかったからである。フマクトはもうオーランスの兄弟ではなく、それゆえに自分には“剣”をよそ者に渡す義務はないのだと言った。そうしてオーランスとフマクトは“剣”の所有権を賭けて戦った。

 休息と回復の機会の後、ヒーローはフマクトから“剣”を手に入れる最後の試みのために、フマクトの農場へと帰ってくる。この時になると、炉辺には歓迎の火は灯っていないし、フマクトの大広間は冷たく暗い。今回はフマクトはヒーローを兄弟として歓迎してくれないが、その代わりにヒーローがよそ者であるかのように歓迎してくれる。

 “剣”を渡すよう、フマクトを説き伏せる(10W2):〈賄賂(-5)〉〈脅迫(-3)〉〈言いくるめ(-3)〉〈人を説得する(-3)〉

 もしヒーローが一族のものとしてフマクトに訴えかけようとした場合、“嵐の部族”の一族から自分を切り離したので、もうオーランスの兄弟とは見なされない、とフマクトはヒーローに言う。この時点でフマクトは“嵐の部族”の成員ではないので、この対決ではヒーローは《嵐の神殿の神に命令する》や〈(氏族)との縁故〉といった能力を使用できない。

 ヒーローにとってまだ、力というのも手の1つである。フマクトは〈近接戦闘:10W3〉を有する。

 ヒーローが失敗すると予測されるので、探索行のこの留でも繰り越しポイントは歪んでいる(第三の留を参照)。この留で“剣”を得るのに成功した場合、その効果は前回同様となる。

第六の留:敵

 ちょうどその時、敵どもがやって来た。オーランスやフマクトといった力強い戦士にとってさえ強すぎて、1人では立ち向かえないほどの敵だ。彼ら2柱の神は互いの不和を脇において、それらの敵と戦わなくてはならなかった。戦いは丸一昼夜続いたが、オーランスとフマクトは勝利を収めた。

 ナレーターは探索行のこの留において、ヒーローになんらかの関係がある敵を選ぶべきである。例えば、もしヒーローの氏族が近隣の氏族と不和【Feud】にあるのであれば、その氏族から来た戦士らと出会わせても構わないし、一方でもし混沌がトゥーラを脅かしているのであれば、ブルーの群れと出会わせても構わない。ナレーターが登場させたいと思う特定の敵がいない場合、無法者や混沌、アンデッドがここで出会う伝統的な敵である。ヒーローの敵の代わりに、フマクト信者が登場さすべき敵を持っていても構わない。

 他にも、遭遇する敵は探索行を中断させようとする、敵意を持った、もしくはライバルの探索者でも構わない。これは、ヒーローに対抗させるために最強のライバルを登場させたり、氏族の最深部にルナーの攻撃を仕掛ける絶好の機会である。圧倒的であってはならないが、敵がヒーローの能力に対して重大な試練を与えられるよう、ナレーターは敵の能力を設定しなくてはならない。

 もし対決にヒーローが負けた場合、深刻な傷を負うものの、まだ探索行を続けられる。残った敵を追う払うのに、フマクトが成功したものとする。とはいえ、これはオーランスにとって、フマクトを自分の守護戦士としたがるいい理由になるだろう……。

第七の留:和解

 そうしてオーランスは思い付いた。フマクトと戦う必要はなく、しかも例えもう彼らが兄弟として大広間を共有する事ができなくとも、いつだって他の方法があるはずだ、という事を悟った。彼はフマクトに言った。「お前は俺とともに戦った、かつては兄弟であったフマクトよ。戦さ場で再び俺のそばに立ってもらうために、多くのものを与えよう。お前に新たな地位を、守護戦士としての地位を用意しよう。最早、俺の氏族の一員ではないものの、法によって絆を結び、俺の右に座り、輪に参入してもらえないか。そうすれば俺の戦士の中でも、最も優れた戦士となるだろう」
 フマクトはこの方法でオーランスの仲間になるのに同意し、お互いに満足した。そしてオーランスは新しい近侍武士にへりくだって尋ねた。「“死なる剣”を俺に貸してくれないだろうか」と。そしてフマクトは“剣”を貸し与えた。

 ヒーローがオーランスのように賢明で、誉れ高く、そして寛大であることを証明する機会である。探索者は“オーランスの守護戦士”として、もう一度“嵐の部族”と共にいてもらえるよう、そして必要な時に“死なる剣”を貸してもらえるよう、フマクトを説き伏せなくてはならない。

 “嵐の部族”の守護戦士となるよう、フマクトを説き伏せる(10W2):〈近接戦闘〉〈寛容さ〉〈オーランスへの帰依/入信〉〈名誉〉〈氏族との関係〉〈嵐の神殿の信仰〉

 ここで使われる能力は、この探索行でヒーローが賭けているものである。もしヒーローが成功すれば、“剣”を貸し、ヒーローの守護戦士として右席に座ることに、フマクトは同意する。

第八の留:家路

 ヒーローはオーランスのステッドに帰ってくる。そこから〈オーランスの神話〉能力を用いて、物質界へ再び帰ってくる。神界へ渡った時と同じ難易度によって抵抗を受けるが、繰越しポイントや傷による修正を受ける。

結果

 個人的な利益のために探索行を実行し成功したのであれば、再生するためにフマクトが“剣”を取り返すまで(これは関連したフマクト信者の探索行である)、探索者は“剣”を使用できる。“剣”はヒーローにフマクトの《死》の神力(『ヒーローウォーズ』38ページ(訳注:『Hero Wars』54ページ)を参照)を、ヒーローが探索行で賭けた能力値を同じ値で使用できるようにしてくれる。

 もし共同体の利益のために探索行を実行したのであれば、以下の利益の1つが、「非常な支援」を提供した者たちすべてに与えられる。利益はヒーローが探索行を始める時点に選ぶ。

 この縁故に対する判定に成功している限り、フマクト信者は肯定的な反応を示すだろうし、物事が不鮮明な場合はヒーローに対して有利に解釈しがちである。

 こうした利益の期間は、繰り越しポイント表(『ヒーローウォーズ』210ページ(訳注:『Narrator's Book』39ページ)を参照)により決定される。

 加えて、ヒーローがこの探索行で度を越して暴力に頼っていたとナレーターが感じた場合、ナレーターはヒーローに欠点〈暴力的〉を与えても構わない。もしヒーローが探索行で“嵐の部族”の同族に対して、不必要な暴力を再三使っていたのであれば、ナレーターはその回数毎にこの欠点を5点増やしても構わない。探索行の第五、第六の留で登場するフマクトと敵は既にヒーローの同族ではなく、この点ではペナルティを引き起こさない事に注意する事。

 もしヒーローが、“嵐の部族”での地位を申し出、敵と戦う助けをする前に、探索行の第三、第四、第五の留で暴力を用いて“剣”を手に入れている場合、結果は深刻なものとなる。ヒーローと「非常な支援」を与えたものは、欠点として〈フマクトの敵意〉を得る。これはフマクト信者と接する試みすべてにペナルティとして機能する。この欠点の値はヒーローが探索行で僅差の勝利をしていれば12、小差の勝利なら17、大差の勝利なら1W、完全な勝利なら5Wとなる。

 この欠点はヒーローがヒーローポイントで買い戻すまで永続する。ヒーローの支援者に関しては、繰り越しポイント表(『ヒーローウォーズ』210ページ(訳注:『Narrator's Book』39ページ)を参照)によって決定される。そして彼らは、フマクト信者の近侍武士たちが我がために戦うために、より歓迎してくれる他の氏族を求めて出て行くのを目にする事だろう。

“死なる剣”の繰り越しポイント

“死なる剣”の繰り越しポイント
道行の留 完全勝利 大差勝利 小差勝利 僅差勝利 引き分け 僅差敗北 小差敗北 大差敗北 完全敗北
オーランスの農場(決定的) 4 3 2 1 0 X X X X
ユールマル 4 3 2 1 0 -1 -2 -3 -4
フマクトの農場 7 6 5 4 3 2 1 0 -1
フマクトの農場への再訪 7 6 5 4 3 2 1 0 -1
フマクトとの最後の話し合い 7 6 5 4 3 2 1 0 -1
6 5 3 2 0 -2 -3 -5 -6
和解 12 6 4 2 0 -2 -4 -6 -12
家路 4 3 2 1 0 -1 -2 -3 -4
最終的繰り越しポイント 51 38 28 19 9 0 -8 -17 -29

この文章について

 原文:The Sword that is Death(http://www.glorantha.com/hw/fan/hq_sword_death.html)
 著者:Bruce Ferrie(bruce@ellechino.demon.co.uk)
 翻訳者:鮎方髙明(ayukata@dunharrow.org)

 この探索行はBruce Ferrie氏が作成した物を、作者本人から許可を受け、鮎方髙明が翻訳した物です。
 これはグローランサ・ファンによる創作物であり、公式版ではありません。各人の選択において使用して下さい。この文章により何らかの害を受けたとしても、著者並びに翻訳者は関知いたしません。この文章は、非営利目的においてのみ、複製が許可されます。
 翻訳物に関するご質問は、上記翻訳者までご連絡ください。
 もし誤訳がありましたら、上記翻訳者までご連絡ください。また訳語に関しても「こちらの方が適切なのでは」というものがありましたら、ご教授下さい。適時、修正させていただきます。
 〈フマクトの敵意〉の値の求めかたが原文とは異なっています。これは原文の求め方に問題があったためBruce Ferrie氏に確認したところ、新たな提案をしていただきましたので、そちらの方を採用したものです。
 冒頭に『KoDP』の神話を元に作成したとありますが、その後この神話「Humakt the Champion」は『Storm Tribe』108ページに掲載されました。この神話はフマクトへの入信の際に、誰にも洩らしては行けないと注意した上で教えられるもので、即ちフマクトのカルト・シークレットとされています。ですので、この探索行は本来はフマクト信者がフマクトの立場で行うものでしょう。その際の留は『KoDP』では以下のようになっています。

  1. 神界に入る。
  2. ユールマルから剣を取り上げる。
  3. 家族との絆を断ち切る。
  4. オーランス、1度目の訪問。
  5. オーランス、2度目の訪問。
  6. オーランス、3度目の訪問。
  7. 敵。
  8. 家路。

 ただ多くのオーランスの寺院では失伝しているものの、一部オーランス寺院で語り継がれていたことにしても構わないでしょうし、その辺はRPGの常としてナレーターの自由裁量だと思います。因みに私は、この探索行について文章で書かれてた断片があることにして、オーランス対フマクト対ランカー・マイの三つ巴と、それに頭を痛めるアーナールダな線でシナリオを汲む予定です。

訳語について

 新しい訳語の対訳を一覧しておきます。

能力
〈寛大さ〉 Generous
〈脅迫〉 Intimidate
〈人を説得する〉 Persuade Others
〈フマクトの敵意〉 Unfriend of Humakt
〈フマクトの友情〉 Friend of Humakt
〈暴力的〉 Violent
〈名誉〉 Honorable
〈賄賂〉 Bride
用語
守護戦士 champion