緑の時代

緑の時代

 そうした頃、古い神々は最初の戦を、直ぐには終わらず長きに渡る創造の戦Making Warに出会いました。相手は先闇なる大敵です。世界は混沌のただ中に浮かぶ泡のようなものだったので、絶えず先闇の侵入に悩まされていたのです。
 しかし古い神々の方が数でも力でも劣っていました。それでも先闇に飲み込まれないためには、反抗せざるを得なかったのです。そこで古い神々は「創造の力」を打ち鍛え、すべての者がそれを帯び、そして皆で力を合わせて頭目となる神、「皇帝」を創りました。

 「皇帝」は皆を率いて力を合わせ、1柱の悪霊を打ち据え捕らえました。そして神々はすべての中心に砦を築きました。それはとても大きな砦でケロ・フィンと比べても、とてもとても大きかったという話で、外からは巨大な山にしか見えなくて、今ではどの話でも宇宙山スパイクと呼ばれています。その砦はとても強固で流石の敵も壊せませんでしたが、しかしまた古き神々にも術は無く、砦を出て戦いに赴くことは出来ませんでした。

 このスパイクの中では神々が互いに調べ探りあい、中には自分と良く合う存在がいることに気付きました。そうした2柱の神々が1つとなり、若き神々が次々に生まれました。神々は必要に応じて、自らの手で神を作りだしもしました。
 あたしらの中で人を集めているところで言うならばイサリーズは変化と調和のお子でした。大地からはアズリーリアとタイ・コラ・テックが、そしてアズリーリアからはエスロラとマーランとアーナールダが産まれています。そしてアーナールダは“助産婦”エニンタを産みました。その手を借りて様々な神の誕生の手助けをしたのです。

 また神々は神を創っただけではなく、様々な物の鋳型も創り出しました。最初に作られたのは植物で、それを元に様々なエレメントの植物が生まれ、また様々な植物の写しが作られました。最初に作られたのはドラゴニュートだとも言いますが、彼らの事は今も昔もよく解りません。それから獣の鋳型が作られ、最後に人の鋳型が創られました。それが「定命の祖父」、すべてのヒトの源です。

 そうして法の子と真実の間に、思考と知性たるランカー・マイが生まれ、無知なる緑の時代は終わりを告げるのです。
 兎も角も創造の戦で、神々を含めこうして様々なものが生み出され、そして神も人も区別をつけることの出来なかったのが、この「緑の時代」です。

 思考に光あれ。

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